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(更新:2023年9月9日)

【エッセイ】(抗議)自殺に対するある見解 —魯迅の発言より—

日比谷公園で男性が焼身自殺 集団的自衛権容認に抗議か

私たちは人に犠牲になれとすすめる権利はありませんが、そうかといって人が犠牲になるのを妨げる権利も持っておりません。まして世間には、よろこんで犠牲となり、よろこんで苦しみに飛び込む人物も、結構あります。(中略)

しかし、この犠牲が性にあうということは、自分だけに関することでありまして、志士たちのいう社会のためということとは関係がありません。大衆——ことに中国の——というものは、永久に芝居の観客であります。犠牲が登場する。その犠牲が勇敢だと、かれらは悲劇を見たことになるし、臆病だと、喜劇を見たことになります。北京の羊肉店の前には、いつも何人か、口をあけて、羊の皮を剥ぐのをおもしろそうに見物している連中がおります。人間の犠牲がかれらに与えうる有益さも、こんなものにしか過ぎません。しかも、事が終わってしまえば、そのおもしろさも忘れてしまうのです。

このような大衆に対しましては、その見る芝居をなくしてしまうより方法がないので、そのほうがかえって救済になります。つまり、一時パッと驚かすような犠牲は無駄でありまして、じっくりと、ねばり強く闘ったほうがよろしいのであります。

「ノラは家出してからどうなったか」岩波文庫『魯迅評論集』より ※太字筆者

というわけで、自殺よりもぜひ投票を! あるいはブログを書こう(`・ω・´)!(でも、気持ちだけは受け取っておこう……)

蛇のごとく粘着だが、羊のごとく惰弱。

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