今朝、携帯の着信履歴を見たら、深夜に妹からの発信が有った。母の携帯にもその直前の時刻に同人から掛かってきていたので、心配した母から連絡したところ、昨夜は妹の夫(つまり義弟)が何時まで経っても帰宅しないまま連絡が取れず、不安極まりない時間を過ごしたという。その後1時間ほどしてようやく帰宅した義弟が妹に言うには、週末ということでつい飲み過ぎた結果、電車内で寝込んで乗り過ごし、慌てて降りた駅のホームのベンチでさらにまた眠り込んでしまい、その挙げ句に財布から現金を抜き取られてしまったのだそうだ(ジョージ・ハリスン『アップル・イヤーズ 1968-75(DVD付) 』が買えるくらいの被害額らしい)。
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義弟は基本温和で子煩悩でマメな気の好い人なのだが、如何せん結構な酒好きで、この手の失敗をたまにやらかしてしまうのが玉に瑕である。しかし今回はしばらく連絡が取れなかった上に被害も過去最大なので、本人の凹みようもさることながら、その上に当然ながら妹の憤慨もこれまでに無く、さらに以上の話を聞かされた母の激おこぶりは尋常ではなかった。何しろ、待たされる妻子の側にしてみれば当然不慮の事故を想定してしまうし、加えて最近の世相では金銭以上の被害の恐れも万一ながら有り得たわけだ。まして、うちの家系出身の女性は総じて常人の3〜10倍は心配性で被害妄想が激しいので、それだけ「心配を掛けられた」という精神的なダメージをより増大して受けてしまうのである。
とりわけ母などは、自分の父親(祖父)が同様の失敗をしては自分も含めた家族に手間を掛けさせていた、ということもあって、自身は根っから真面目な上に体質的にも酒類を殆ど受け付けられないという男性を伴侶に選んだというのに、その娘がまさに自分と似たような気苦労を背負い込んでしまっているのを目の当たりにして、そういう面でのショックも少なからず有ったようだ。少し前にはすぐ近くの国道で酔っ払った男性が横断途中に跳ねられる、という事故も有ったりしたので、彼女の脳内では我が娘が未亡人に、大事な孫たちが片親になってしまう可能性にまで妄想がエスカレートしてしまったらしい。妹は妹で、以上の様な手間や心配に加えて、とりわけ息子に対する悪影響と遺伝を懸念していた。
酒という名の合法ドラッグは、とりわけ日本社会では公私でのコミュニケーションの為の強力な潤滑剤、カンフル剤として浸透しきってしまっているので、まったく馴染まず受け付けずに過ごすというのも難しく色々と不利になる面があるが、かと言って当然自制できなくなるほど摂取してしまうのは論外だ。学生の新歓などで新入りに潰れるほど飲ませる、という習慣が悪弊として公然と阻止されるようになって久しいが、早いうちに自分の耐性や限界を知っておく、という意味合いもあったのだろう(とは言え、それで失敗して死なせたり死んでしまっては元も子も無いし、強要や強制で却って軋轢や不快を生じることの方が多いように感じるので、やはり止めた方が良い慣習だとは思う)。
というわけで、これからの季節はイベントやお祭りも多いし、さらにその先には忘年会やらが控えているわけで、とりわけ全国のお父さん方や若い方々はくれぐれも羽目を外しすぎないようにして頂きたいものです。自分の身は自分だけのものではない、目下の社会や家庭は間違いなく貴方がたが支えているのだし、若く将来有る身ならそれは尚更のことなのだ。