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(更新:2015年6月5日)

【エッセイ】今年の、今後の抱負 —All Things Must Pass—

87EYo

また新しい年が来てしまい、私もますます年を取ってしまった。年末は毎年大抵気分が落ち込むのだけれど、今回はとりわけ良くなかった。目下育ち盛りの甥っ子&姪っ子が遊びに来てはしゃいでいるのを見ても、いや、見れば見るほど却って落ち込んでしまう。彼らの親として世間並みの苦労はしつつもそれなりに充実していそうな妹夫婦に引き替え、私などは正直20年前からまったく成長も変化もないように思える。

そして、人生折り返し地点を過ぎつつあり、両親も年老いていく一方、そして世間の景気も一向に良くならないしその他の社会状況を見ても、どの要素を取ってもあまりポジティブな要素が見出せない……等々、色々と先が見えてきてしまった今、これから私の人生はこれ以上色んな意味で向上も、まして出世など望めないし、これからどんどん気苦労や荷物だけが増えこそすれ、大して素晴らしい、良いことなどは起こらないんだろうな……と。もっとも、これまでの人生でも決して、大して良いことなど有ったためしは無かったわけだが。

そもそも、アラフォーで実家住まいで未だ独身でもちろん子供無しのワープア、という存在など社会にとっては一片の価値も無く、そもそも存在しないも同然というか、むしろ居ない方がよい存在だろう。三十数年もひたすら無駄に時間と空気とエネルギーだけ漫然と消費して、結局世の中にとっても己自身にとってもめぼしい実績も貢献も無く、自力で勝ち得た輝かしい思い出も感動も皆無だ。そして、こんな状況はこれからもさほど変わらないだろう。結局、元々知能も才能も乏しい人間が幾ら明後日の場所ややり方で足掻いた所でただ時間と労力を溝に捨てるだけの話だったのだ。そのことにもっと早いうちに気付いて、もっと身の程の所で地道な努力を重ねておくか、開き直ってもっと面白おかしい経験をして充実した思い出を作っておくべきだった。正直、私の半生にはとかく語るべき経験も成果も無く、その内実のひたすら空虚でつまらないことといったら、まさにこんな人生を1000回以上繰り返したところで、どうにかジョージ・ハリスン1回分の人生に追いつけるかどうか、という話なのだ。

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だからといって、自殺できるような度胸があるはずもなく、何だかんだ言ってこれ以降の時間には未練がたっぷりな訳で、じゃあこの先どう過ごしていけば良いのかと考えると、結局はささやかな生活と娯楽が得られるだけの仕事は続けて、どうせ自分などが考えたところでどうにもならない、これっぽっちの貢献も出来ようがない社会や世間の問題などには関わらず、気をもんだりせず、細々と自分の好きなこと、やりたいことだけ嗜み、見たいものだけを見て、聞きたい(聴きたい)ことだけを聞いて、考えたいことだけを考え、感じたいことだけを感じて生きていこうと思う。義務やら倫理やら高い意識やらを押し付けられて、それをやろうとしないことを責められたり軽侮されたりするのはうんざりだし、もうそんなことに気持ちを費やしたくないし関わりたくない。己の将来のことなど幾ら考えたところで今の状態、状況ではどうにもしようがない。それこそ地震やらテロやらに見舞われないという保証は無いし、wktk(0゜・∀・)で迎えたライブコンサートを当のアーティストの腹痛でドタキャンされるというようなことも有るのだし、全ては不安定で、幾ら努力したり希望を持っても思い描くままにならないどころか、あっけなく望みは裏切られ、それまでに積み重ねてきたものは空しく散り失せるのだ。

というわけで、これからの国とか世界とか社会とかのために貢献し支えるとか、社会の一員、家族の担い手として、一人の大人としてより良く生きるとか、そういう事はそれに値するだけの地位や器量や能力に恵まれた人々だけに任せておいて、どうせ何も持たない、何の取り柄も無い、あらゆる神に冷遇されているような私ごときのような人間は、溝に浮かぶ塵のごとく流されるがままにその最期まで過ごしていくしか無いのだ。むしろ下手に無理して真っ当な努力をやろうとしたところで、社会にとって何ら役に立つわけではなし、結局何もしないのと同じことなのだから。それならいっそ刹那に好き勝手に過ごしたほうが、少なくとも自分ひとりだけは幸せにできるのだし、後はせいぜい身内、とりわけ将来有る甥っ子&姪っ子の負担にはならない程度の事だけはこなしておこうと思う(それが一番の難事ではありそうだが……)。

蛇のごとく粘着だが、羊のごとく惰弱。

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